海外で現地採用として働く、「ゲンサイヤー」生活のメリットx9

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(株価は上がるけども) 給料は上がらず物価は高くなり、高齢化が進んで日本経済は悪化するばかり… そんな恐怖の世界がやって来るかもしれない! そう予見して実際に2007年から海外で働きはじめ、今も中国でゲンサイ (現地採用の会社員) で奮闘し続けている、“ゲンサイヤー”のタマダです。

ゲンサイは現地通貨で給与を全額受け取っているため、一時期は円安が進むにつれて (日本円換算で) 資産が増えてウハウハ! ということもありましたが、実際のところ、駐在員からパワハラや差別的な待遇を受けたり、セクハラを目の当たりにしたようなこともあり、決していい事ずくめではない!んです!!!

じゃ、ぶっちゃけ、ゲンサイヤー生活の良いところと悪いところ、それらを全て天秤にかけるとどうなの? と思いますよね。今回の記事ではゲンサイ生活の良い点 vs 悪い点を列記してみました。

ゲンサイヤー生活メリットx9

何かと苦労の連続と思われがちな海外生活。そんな暮らしもポジティブに考えたり、ありえねぇと笑い飛ばせたりできれば、これほど楽しい生活はないんです!! (とボクは信じています) というわけで、まずはゲンサイヤーライフの良い点を先に順に見ていきましょう。

1) 新たな発見ばかりで、毎日が新鮮

外国での生活、それはすなわち毎日が新しい経験ばかりで、毎日が刺激に満ち溢れるということ。新発見の連続で、まるで子どもの頃に戻ったかのように、驚きの毎日を送ることができるのです。新生活が落ち着く半年ぐらいまでは毎日が新鮮で、ずっと海外旅行しているような感じです。なんて贅沢なんでしょう!!!

2) 視野が広がり、国際感覚が養えてタフに

異国にて文化も背景も違う人たちと働いていると、それまでの常識が覆され、自分がなんて視野の狭いちっぽけな存在だったんだ、と感じずにはいられません。特に島国ニッポンで、何の不自由もなく育ってきた人はまさに「井の中の蛙」。そんな人でも海外暮らしを始めれば、自分の視野が俄然広がります。

また、上海や香港といった国際都市で外国人として暮らすと仕事や私生活を通じて国際感覚が養われ、それがあなたの成長を後押しし、グローバルに活躍できるタフな人間になれるでしょう。外国人の知人・友人もどんどん増え、まさにグローバル人材に!!

3) 外国語がどんどん上達

外国に住むとなると、その国の言語なしには生きていけません。たとえ日系の会社に勤めたとしても、日本語だけで生活することは不可能です。サバイブしていくためには、否が応でも現地の言葉をいくつか覚えないといけない状況に追い込まれるわけです。外国語をマスターするには、なんて恵まれた環境なんでしょう!!!

ボクなんか、中国に住み始めの最初の数年は中国語を全く勉強せず、社内でもそれこそ「ニーハオ」「謝謝」ぐらいで生活していました。しかし、自然と単語は覚えるし、人が話している内容がなんとなくわかってくるし、何も考えずに少しずつ話せるようになっていきました。

中国生活が5年以上経過してから中国語を勉強し始めると、「あ、これってこういう意味だったのか」「この発音ってこの単語だったんだ」という発見が多々あり、日々の生活がまるで「テストの答え合わせ」のようになってとっても楽しくなりました。それはともかく、異国にいると外国語の上達は尋常じゃありません!

4) 好きなだけ、その国/地域に滞在できる

待遇に恵まれた天下の駐在員であれど、任期は永遠に続くものではなく、異国での生活に慣れきってこれから本番!という時に帰任を命ぜられる、なんてことはザラにあります。しかしですよ、ゲンサイヤーには任期などというものは関係なく、(労働契約が続く限り) 自分が好きなだけその国/地域に滞在することが可能です。

仕事は別になんでもいいから、その国に居続けるために、ビザをとるために居住地を変えずに仕事を変える、という強者もいます。いや、むしろ、そのために自分で独立して仕事を立ち上げる人のほうが多いですね。ま、とにかく、駐在員には無理でも、ゲンサイヤーには「好きなだけ好きな国にいられる」という自由があるのは事実です。

5) 仕事で責任の大きな役割を与えられ経験値アップ、やりがいも↑↑

日本ではただの一兵卒で、数多くいる社員の中の一人に過ぎない人が、海外支社では現地法人の要職に据えられる、というのはとてもよくある話です。仕事上で大きな裁量権を与えられ、日本では考えられないようなスケールのプロジェクトに関わったり、ヒリヒリと痺れるような機会にも恵まれるでしょう。

そういった大きな責任を伴う仕事を受け持つことで経験値が大幅に向上し、キャリアアップにはうってつけ。また、仕事へのやりがいも強く感じられるようになって、まさに良い事ずくめ!!

6) 本社や駐在員との理解関係が薄く、ノビノビできる

本国から来た駐在員は本社に所属する身分ですから、必然的に本社とのやりとりが多く発生し、それがゆえ、(無意味な) 会議も頻繁に行われ、日々の貴重な時間が忙殺されがち。また、彼らは駐在員同士で利害関係が発生することが少なからずあり、超めんどくさい事が起こりがちです。実際にボクが所属していた会社でも、「性格のひんまがった社員A」が「下半身が乱れた社員Bの行った悪行」を本社に (違法スレスレの方法で証拠を押さえ) 密告し、結果的に喧嘩両成敗で別の支社に強制異動させらた、ということも起こりました。

でも、ゲンサイヤーはお気軽なもので、上記のような面倒にはほとんど巻き込まれません! ま、そもそも駐在員様はゲンサイの人間を見下している人も多々いるので、ただ単に彼らの眼中にもない、、と言ったほうが正解かもしれませんが、そんなことどーだって良いですよね。なんたってゲンサイヤーには偉大な「自由」があるのですから!

7) 家族と「一心同体」の生活となり、互いの絆が深まる

異国で家族と暮らし始めると「外国人」であるがゆえ、言葉の面はもちろんのこと、安全面においても助け合って生きていかざるを得ない状況になります。特に子供のいる家庭においては、日本にいる時のように子供たちを友人たちと自由に遊ばせるようなことはほぼなくなり、週末はどこに行くにしても家族全員で一緒に出かける、という家庭もとても多いです。

家族で共有する時間が長くなり、一緒に協力しながら異国生活を乗り越えていくという経験をすることで、家族メンバー同士の絆は否が応でも深まっていくのです。特に現地で仕事を見つけ、能動的に異国生活を選んだゲンサイヤーに、その傾向は顕著でしょう。

8) 子供に貴重な経験をさせることができる

記述のとおり、ゲンサイヤー自身がかけがえのない経験を積むことができるのはもちろんのこと、ゲンサイヤー生活は帯同してきた家族、特に自身の「子供」にも貴重な経験をさせることができます。親以上に思い通りにいかないことに日々直面し、不自由さは半端ないはずです。

でもそうすることによって、今まで当然だと思っていた日本での生活が、いかに有り難いものであるかを再認識させることができるのです。そして、こういった異国での苦労や経験が将来必ず役に立つ機会が来るはず!我が家もそう信じて、幼稚園〜小学校は海外で子供を育てることを決心しました。おかげさまで、中学生になった今でも、物事を多面的に見られる視野を持ちつつ、とてもタフでいい子に育ってくれています。

9) 海外でも資産を増やすことでき、リスク分散ができる

昨今、どの国においても非居住者は銀行口座の開設を断られることが大半です。これはマネーロンダリング等の不正対策のためなので仕方がないことなのですが、日本だけに資産を集中しておきたくない、という方も数多くおられるはず。そんな方にも、ゲンサイヤー生活はオススメです。

異国で正規の就労ビザを取得し、ゲンサイヤーとなって「居住者」となれば、銀行口座の開設も容易です。ゲンサイヤーとして現地で働くと、給与は必然的に現地通貨で支払われるため、自ずと海外での資産が増加し、自身の持つ「全財産のリスク分散」が可能となるのです。中国やベトナムなどでは外貨の購入が厳しく制限されていることから、現地で日本円や米ドルに換金することは日本ほど簡単ではありませんが、きちんと現地で納税している証明さえあれば、外貨への換金も可能ですので安心ください。

ゲンサイヤー生活のデメリットx4

上記セクションで述べたのが、ゲンサイヤー生活の良い点に関してでしたが、続いてその「悪い点」に関しても、いくつかあげておかないとフェアではないですよね。むしろ、こっちの方が大事かも。

A) 日本の健康保険がない… (=一時帰国時の病院代は全額自腹)

住民票を抜いて日本で「非居住者」となると、健康保険への加入が認められないため、日本においての健康保険を消失することとなります。つまり、ゲンサイヤーとして日本に一時帰国する際、もし病院に行くことになったら、病院代は全額自腹、、、、(!) ということになります。

が、しかし、これには解決方法があるのでご安心ください。詳しくは今後、別記事にて詳しく説明しようと思っていますが、長期の『海外旅行保険』には、その中に「一時帰国中補償特約」が含まれているものが少なくありません。この特約があれば、歯医者以外はほぼ「無料」で診察を受けることが可能。実際にボクも、過去に何度もこの特約を利用してきました。

B) 将来受け取る年金が更に減額…

海外居住者となると、年金の支払い義務も生じなくなります (ご参考)。将来の年金制度に期待薄、手取りの給与もそれほど多くないボクは、ゲンサイヤーとなってからは年金の支払いをストップしました。が、きちんとした手続きをとってなかったため、年金の支払いを迫る「催促状」が何度も日本の住所に送られてきて大きな恐怖を覚えました。。。(良い子はマネしないでね)

年金を支払わない、つまり、それは将来に受け取る年金が減額となる、ということを意味します。それを受け入れられる人は、敢えてその道を選びましょう。日本の非居住者となる=年金の支払い義務がなくなる=自分次第、なので、デメリットよりもメリットと言うべきですかね。ま、いいか。

C) 雇用契約期間内であろうが、いつ職を失ってもおかしくない…

法に守られ何でも至れり尽くせりの日本では、正規雇用労働者がいきなりクビになることはまずありませんが、外国ではそういうわけにはいきません。たびたび「アメリカXX社の従業員が〜千名解雇」というニュースが飛び交うように、外国では正社員であろうが、雇用契約期間内であろうが、いつ職を失ってもおかしくない、常に綱渡りの生活であることは事実です。

実際、私が過去に所属していた日系の会社の中国支社においても、業績の悪化により、突如人員削減が行われました。その中には外国人籍の社員も含まれ、彼は雇用契約期間がまだ1年以上残っていたにも関わらず、「会社の存続に関わる経営状況」であることを理由に、突如解雇の対象となったのです。この事の顛末は別記事で詳しくまとめる予定ですが、とにかく、異国で働くということは、いつその職を失ってもおかしくない、ということと背中合わせなので、そのことを肝に銘じておく必要があります。

D) ゲンサイへのリスペクトが薄い駐在員と、トラブルを起こしがち…

日系企業から派遣されてきた「駐在員」はエリート意識が強い、と言うか、強すぎる人が少なからずいて、そんな彼らから見るとゲンサイヤーなんて「しょせん (駐在員になりたくてもなれない) ゲンサイ」「(駐在員に引け目を感じる) コンプレックスの塊」みたいなモノ。実際、ボクは面と向かってこのように言われたことがあります。

その当時ボクの所属していた会社は、自分の成果を質や量である程度目に見えて誇示することができたポジションではあったので、実力でギャフンと言わせようと思って仕事に邁進していました。ところが、「下僕民が偉そうにするな」という目で見てくる人にはそれが癪に障るようで、「(本社の偉いさんとコネのある) 駐在員の言うことは聞いておいたほうがいいよ」とプレッシャーをかけてきたり、ボクが窓口で対応していた外注先への予算をなんの前触れもなく一方的に削ってきたり、様々な嫌がらせを受けてきました。

最終的に殴り合いに、、までは発展しませんでしたが、彼と和解することはなかったですね。それはさておき、ゲンサイヤーはこんな感じで駐在員と揉めうるので、その心づもりはしておきましょう。

とまぁ、ゲンサイヤー生活の良い点と悪い点をまとめると、こんな感じです。もともとボクはバックパッカーで自由を好み、(特に仕事上で) 無駄に人と協調して生きるのが大嫌いなタイプ。なので、ゲンサイヤー生活はボクにとってピッタリで、上記にあげたデメリットなんてほんのチッポケなものに感じています。

そのような些細な問題を我慢すれば、経済的にも精神的にも自由になれるゲンサイ。あなたもゲンサイヤーになって、新たな人生の扉を開いてみませんか?

まとめ

というわけで、今まで台湾、香港、上海、タイなどなど、様々な場所で働いてきたゲンサイヤーのタマダですが、この新しい「闘え! ゲンサイヤー!!」シリーズ記事内では引き続き、「海外で (主に中国で) ゲンサイとして働き、より良い人生を送るための秘訣とノウハウ」を余すとこなくご紹介したいと思います! 乞うご期待!!

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