ここはアメリカ!? 上海で週末をノンビリ過ごすなら闵行区『华漕镇 (華漕鎮)』!!
上海で仕事に追われる毎日が続くけども、週末ぐらいは非日常感の感じられる静かな環境でユックリしたい。。そんな風に考えるアナタにピッタリなのが、上海市内から西の外れにある「华漕镇 (華漕鎮)」!!
上海在住者には、「浦西のアメリカンスクールがあり、コストコのある西の外れ」と言えば、だいたいどのあたりなのかわかると思います。今回は上海市内にいながら現実逃避したい人にピッタリな、いつもと違う上海を知りたいアナタにピッタリな、「华漕镇 Huacao Town」についてご紹介します。
そもそも、上海の外れにある「华漕镇」の何が良いの??
上海には日本人のたまり場である「古北」、韓国人街が広がる「龙柏 (龍柏)」、旧フランス租界地で欧米人がよく集まる「衡山路」など、特定の外国人が集うエリアが多数存在していますが、ここ「华漕镇」には敷地面積29エーカー (11.7万㎡) を誇るアメリカンスクールがあり、他にもイギリス人学校、シンガポール人学校、韓国人学校などが集まる、外国人ファミリー御用達のエリアなのです。
そのため、周辺の住宅は多くの欧米人駐在員が住む浦東の「金桥 (金橋)」顔負けの超高級仕様 (!!) で、周りにはコストコ含む、欧米人が好む店が数多く並んでいます。それがゆえ、街を歩いているとそこかしこから英語が聞こえてくるし、「ここはアメリカか!?」と思うような雰囲気も相まって、異国情緒に溢れたエリアとなっているのです。
とは言いつつ、ショッピングモールや高級住宅街が並ぶエリアは限られてはいるので、ちょっと誇張しているのは否定できませんが、良くも悪くも市内から遠く離れた郊外にあるため、どこにいっても非常にリラックスした空気につつまれていて、ノンビリできるのは間違いありません。
なかなかこの街の良いところを文章で伝えるのは難しいかもしれませんが、以下に写真とともにいくつかそのポイントを紹介したいと思います!
华漕镇エリアの中心、浦西アメリカンスクール
上海市内から西の郊外へ約20〜30km、虹桥 (虹橋) 空港よりもさらに少し西へ行ったところに「上海アメリカンスクール浦西校」は位置しています。住所は上海市闵行区金丰路258号 (258 Jinfeng Road, Minhang District, Shanghai)。29エーカーの敷地は22エーカーの浦東校よりも広く、二校舎合わせて3000人近くが通う上海最大の外国人学校です。キャンパスの様子は こちらの動画 や この動画 で詳しくみられます。
その歴史は非常に古く、創設はなんと清の時代の1912年・・・!!! (当時は市内北東部の虹口区に開校) その後、第二次世界大戦や内戦の影響を受け、学校は閉校せざるを得ない目に何度も遭いますが、何度も復活を遂げ、2000年に今の場所に新しいキャンパスをオープンするに至ります。
その長い歴史の中でも、2004年に起きた「北朝鮮人のアメリカンスクール亡命未遂事件」はかなりの衝撃ものです。当時、北朝鮮からアメリカへの亡命を求め、9人の北朝鮮人女性がアメリカンスクール内の敷地へ侵入しましたが、学校は大使館や領事館と違って「治外法権」が認められているわけではないため、学校側は速やかに警察へこの9人の身柄を手渡しました。
自由の国アメリカにしては結構淡々としたものだな・・・と思っていましたが、その後に声明として「The U.S. government has urged Chinese authorities both in Beijing and Shanghai not to return these individuals to North Korea against their will. (アメリカ政府は中国の関係筋に、今回捕まった北朝鮮人を祖国に戻さないよう主張した)」と発表したとのこと。まぁ、それをすんなり聞くような国ではないと思いますが、学校やアメリカ側としてはこれ以上にやりようがなかったのでしょう。
ちなみに、上海には北朝鮮式のサービスや美食を振る舞ってくれる北朝鮮国営のレストランがあります。本場の「喜び組」顔負けの美女がおもてなしをしてくれますが店内の写真撮影が禁止で、、ってそんなことはどうても良くって・・・w その2004年に逃げ出した「9人の女性」というのは、そのレストランのスタッフだったのでは?と思わずにはいられません。今度そのレストランで真相を探ってみましょうか。。。
さて、そんなアメリカンスクールですが、ボクのような一般人が学校の中に自由に入ることはもちろんできませんし、週末に訪れたので敷地内に人影は全くありませんでしたが、外から見る限り、やはり日本にある米軍基地のような「THE アメリカ」な独特の雰囲気を醸し出しています。
学校南側の目の前には (二階より上には誰も行かないような・・・) 低層のショッピングモールが広がっていて、欧米人御用達の店の数々がここに軒を連ねています。例えば Starbucks から Baker&Spice、Buger King、Blue Frog、Mr Pancake などなど。
他では見かけない個人経営っぽい西洋料理のレストランもいくつかあり、近くに住んでいてもそれほど飽きることもないでしょう。今回、ボクは「零度码头 PREFERRED BEEF CUT」というステーキ屋で食事をしましたが、タップの生ビールの種類は豊富だし、店内では英語が飛び交うし、店内の臭いや空気もどこかアメリカっぽいし、非日常感を十分に満喫できました。
アメリカンスクールからすぐ、学校の北東に位置するドイツ料理屋「KACHELOFEN BREW-HOUSE」へも足を運んで食事をしましたが、このあたりは更にリラックスしていて、非常に落ち着いています (歩いてる人がほとんどいない、とも言うw)。屋外のテーブル席に座りましたが、周りは犬を連れて食事やビールを楽しむ欧米人が多く、顔見知りも多いため行き交う人と何度も挨拶が交わされています。ここは上海であって、もはや上海ではない、欧米色に染まった小さな街そのものです。
アメリカンスクール周辺の、超高級住宅
アメリカンスクールから半径2kmぐらいまでが、この学校通う人たちの生活圏だと思われますが、その一帯は超絶な超高級住宅がここかしこに広がっています。市内中心とは違って、その多くは「别墅」と呼ばれるヴィラタイプの一軒家。その一角だけを見るとここが上海に見えないばかりか、庶民のボクにはまるで映画のセットのように感じられるほどの異次元な世界です。
そんな超高級住宅街の中にノボテルがさりげなく居を構えていますが、駐在員を訪ねてくる家族は大きな家に直接泊まるでしょうし、近くにビジネスの拠点は特にないし、どういう客をターゲットにしているのでしょうか!? 締め切り前の作家が缶詰になって滞在しているとは思えないし・・・
一堂に会するイギリス人学校、シンガポール人学校、韓国人学校
アメリカンスクール浦西校から南西へ1.5kmほど、闵行区のギリギリ端っこ (上海市闵行区金光路111号) に Nord Anglia 経営のイギリス人国際学校「British International School Shanghai」のキャンパスが広がっています。開校は2004年で2歳から18歳の生徒が通い、最大2000名近くの生徒を収容できる規模とのこと。
この学校は大きな道路に面していて前を遮るモノも少ないため、中の様子は結構リアルに見て取れます。学校の正面もそうですが、川沿いから見た景色がどこか田舎のイギリス感たっぷりで感動してしまいました。
たまたまその日の天気の具合もあるのですが、川沿いに生い茂る植物のニヒルな感じや、良い感じにくたびれた設備にグッと来たんですよ。あ、あと、この学校の目の前の住宅も、ご多分に漏れず超高級住宅となっていることを、ここにご報告申し上げます。
さて、先ほどのアメリカンスクールから北へ1.8km行くと、まずは韓国人学校の「上海韩国学校」が見えてきます (※正式名はおそらく「上海韩国外籍人员子女学校」)。1999年に開校した上海韩国学校は、2006年にここのキャンパス (上海市闵行区华漕镇联友路355号) に移って来ました。
2万7千㎡の敷地を誇り、小中高合わせて約1000名がここに通学しているとのこと。同じアジア人の学校なので、これまで見てきたアメリカンスクールやイギリス人学校と比べると、どこか日本の学校を感じさせるような雰囲気を醸し出していますね。
そして、この韓国人学校のすぐ北側 (上海市闵行区朱建路301号) にあるのがシンガポール人学校「Shanghai Singapore International School (上海新加坡外籍人员子女学校)」。联友路沿いにある門周辺からのビューはほとんど何も見えなかったので、そのまま北上すると、下写真の表示板に出くわしました。この写真の右奥へ少し行くと、校内の様子を垣間見ることができます。
1996年創立のこの学校には幼稚園から高校まで1200名もの生徒が通い、学校の雰囲気はまさに欧米と日本/韓国の間のような感じ。ボクの想像を超える頭脳 (や財産) の持ち主の子女がたくさん通っていることでしょう。
こうやって図らずも海外の外国人向けの学校を目の当たりにして、色々調べていると、周りに何人かいる帰国子女の友人たちの幼少時の特別な楽しさや気苦労などを想像できたような気になります。ボクも小学校の何年かを海外で過ごしてみたかったな、と思ったりなんかりして。
外国人ファミリーの受け皿、巨大会員スーパー「コストコ」!!!
上述の「上海韓国学校」「Shanghai Singapore International School」のすぐ目の前にあるのが、会員スーパーの「Costco コストコ」です。周りはまだまだ開発途中だからかわかりませんが、何も建物がなくて非常に殺風景です。ま、であるがゆえに、巨大なスーパーをここに建設することができたのでしょう。最寄りの地下鉄の駅「诸光路 (17号線)」からは距離にして3.6km、自転車でも20分かかります。
このコストコで買物をするためにはメンバーシップが必要で、日本やアメリカの会員でもOK。新規メンバーになりたい人は、WeChat 微信の「小程序 (ミニプログラム)」から登録することができます。年会費は299元 (約6000円)。本来は会員しか中に入れないのだと思いますが、ここは中国、入口で健康吗以外何もチェックされることなどなく、誰でも自由に入場できてしまっています。さすがに支払い時は会員カードの提示を求められるので、1グループで1人だけ会員がいれば、実質買物が出来てしまうようです。
スーパー内は古北カルフールのように、複数の階に渡って商品がこれでもか!と陳列されているのかと思っていたのですが、買物のエリアは1階のみ。2階以上は全て駐車場。商品のバラエティに関しては、正直、期待していたよりも少なかったです。。(そもそも、1人暮らしのボクが買うものなんて容量は限られていますし、ボクのような人間をターゲットにしていないのは重々承知していますよ)
想像どおり冷凍食品はかなり充実していたので、冷凍の肉をいくつか、スナック系を少し、それにチーズとハム。あとは歯ブラシやらを購入しただけで約1000元 (2万円)。テーマパークへの入場料と思って年会費を払い、せっかくなのでそんなに欲しくもないものも購入したわけですが、55点ってな感じかな。。
荷物になるし家にいっぱいストックがあるのでワインには手を出さなかったのですが、やはりアメリカ系のワインがだいぶ充実していたので、次のリベンジ時に10本ほど買いたいです。また、友人とパーティーという目的を定めて、特定の食材決め打ちで再訪したいとも思っています。
まとめ
というように、上海市内中心部とは全く異なる時間が流れる「华漕镇」でしたが、古北/虹桥エリアからだとタクシーでわずか40〜50元の距離ですし、まったりしたい歳の週末のガス抜きにはピッタリです。
とにかくリラックスした最後の仕上げにコストコで買い物をしてストレスを更に開放、家に帰ってからも買ったものでその続きを満喫すれば、何かとプレッシャーの多い上海生活も少しは和らぐのではないでしょうか。
ボクも2〜3か月に一度ぐらいはアメリカ村を訪れてリラックスし、コストコでバカ買いするという、なんちゃってアメリカ人生活をしたいと思っています。でも、多くのアメリカ人のように太らないためには、家から村までの15kmの距離を一時間かけて自転車で行った方が良いのかも。。。でもそれをやったら、コストコで買い物できないすね・・・ (泣)
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