世界三大ハムの「金華ハム (金华火腿)」を堪能する、『金華』トラベルレポ
世界三大ハムのひとつに数えられる「金華ハム」のお膝元、浙江省金華市。杭州から車で2時間の場所にある「金華」にて、超絶に美味しい金華ハム+観光を楽しんできたので、そのレポをこちらでご紹介いたします。
金華市ってどこ? 金華ハムって何??
金華は杭州から南西へ200km弱の距離にある街で、車だと約2時間の距離。列車 (火车) で行く場合は所用約1時間。そんな金華では、イタリアの「プロシュット・ディ・パルマ」、スペインの「ハモン・セラーノ」と並んで「世界三大ハム」の1つに数えられる「金華ハム (金华火腿)」が生産されています。
材料の金華豚は「両烏豚 (两头乌)」と呼ばれる小型種 (下記写真) で、茶殻や白菜を発酵させた餌で育てられ、6ヶ月ほど飼育された豚の後ろ足腿肉のみが金華ハムに用いられます。2ヶ月の塩漬け、2週間の天日干しを経て、その後、1年もの間熟成されて晴れて完成となります。
金華ハムの特徴は「皮薄及骨架细,脂肪丰富,味道甘香 (皮膚が薄くて骨格が細く、脂肪が豊富で香り深い味わい)」と一般的に言われており、ハムを切った断面が「火」のように赤いことから、「火腿」と命名され、清の時代には朝廷に献上されて「最上級の火腿」としてもてはやされたそう。
ちなみに「シャンパン」と同様、商品名として「金華ハム (金华火腿)」を名乗れ得るのは、この金華地区で作られたものだけです。
まずは金華ハムをレストランで食べ尽くす!?
さぁ、金華市に来たからには、金華ハムを現地で食したいですよねぇ! というわけで、ホテルにチェックイン後、早速、フロントのスタッフに金華ハムが食べられる有名レストランを紹介してもらうことに!!
が、ところが、現地の人でも「金華ハム専門のレストラン」は聞いたことがなく、金華ハムが食べられるレストランは特にどこも紹介できないと・・・ その後、ホテルのスタッフは誰も頼りにならないので、自力で大众点评 (食べログ的なアプリ) や Googleで調べてみましたが、結局、どこもめぼしいところは見つからず・・・ (涙) 最終的には仕方なく、ホテル近くにある「还可以 (まぁ、それなりに美味しいですよ)」レベルのレストランを紹介してもらい、そこに赴きました。
18:30に店内に入るとほぼ満席で人気店であることがうかがえ、一安心。メニューに「金華ハムと冬瓜のスープ」があるというので、早速注文。ビールを飲みながら楽しみに待っていると、店員が「今日はもう金華ハムがないので、作れません」とのこと。。。
— なぬ!? 金華ハムの本場において、肝心の金華ハムがないだと!?!?!
一瞬、耳を疑いましたが、そこはめげずにボクはこう返事しましたよ。「近くで買ってくればいいじゃん!」と。ところが、返ってきた返事は「不可以 (それはちょっと無理)」。。。ま、予想通りだけどね!!!
というわけで、金華市初日は、金華ハムに触れることも目にすることもなく、終わってしまったのでした。。ま、でも、この日に食したご飯は、どれも美味しゅうございました。
お土産を購入するなら、金華ハム専門店が集まる「迪耳路(火腿市场)」へ!
金華に来てるのに金華ハムなしで帰れるはずもなく、専門店が数多く集結する「迪耳路 (火腿市场)」へと向かいました。高铁の金华站から東へ車で5分ほどの距離に位置する迪耳路 (火腿市场)には、道路の両脇に金華ハムの専門店10点ほどが軒を連ねており、ここでお目当ての金華ハムが簡単に見つけられます。
いくつかの店をチラッと見た後、店先が小綺麗で、商品の取り扱いも豊富そうな「金字火腿」という店に突入。ここは「金字」ブランドの商品を取り扱うお店。この金字はなんと、2010年に深圳で上場を果たしたトップブランドで、品質管理が徹底されていることで有名。2009年には火腿博览馆をオープンするほどの、金華ハム業界でのリーダー的存在で、Tmall 天猫でも金字火腿旗艦店を運営中。
店内には原味 (オリジナル味) の金華ハムはもちろんのこと、塩分控えめ/濃いめのもの、スパイシー味のものなどがあり、大きさや形状なども様々です。店内で一番高いハムは4.2kgで1588元 (約2万4千円【天猫】)、パッケージも上品で高級感に溢れた仕様。ワイン同様、美しいパッケージのものは美味であることが多いので、ボクは結局、この高級金華ハムの小サイズ380gのもの (152元=約2300円) とつまみ用のスパイシー味のものを購入しました。なお、店頭には置かれていませんが、もっと高い商品は15000元 (約23万円) もするということです。。
ちなみに、金華ハムの大半は香港やシンガポールへ輸出されていることもあってか、「あなたは香港人?」と店の人に聞かれたので、もしかしたら英語が少し通じるかもしれません。また、周辺の高速道路のパーキングエリア内の売店でも、金華ハムが売られているので、金華市内に立ち寄る暇がない人は、そういった店で(適当に)購入してみるのもいいでしょう。
金華へ来たなら、レトロな雰囲気の「八咏老街」へ
金華市中心の東に位置する婺州公園の向かい側にある、清時代の古い街並みを再現した「八咏老街」。1kmほどの八咏老街沿いには古道具や骨董品を売る店、書道関連のお店、古い紙幣を取り扱う店など、興味深い店が数多く並んでいます。
この通りのメインスポットのひとつが「八咏楼」。南朝時代の494年に創建され、原名は「玄暢楼」でしたが、斉の「沈約」が詠んだ八首の詩作の中で、その素晴らしい景色を褒め称えたところから、「八咏楼」と呼ばれるようになりました。
入場時間が16時までだったのでギリギリ間に合わず中に入れず、ボク自身はその雄大な景色を目にすることはできなかったのですが、外から見るだけでも非常に美しい、興味深いお寺です。
八咏楼を通り過ぎ、八咏老街をさらに奥へ進んでいくと、中国の近代山水画家で有名な「黄賓虹 (黄宾虹)」氏の旧居「黄宾虹故居」があります。
黄賓虹は “西欧に留学していることから伝統の国画に洋画の感覚を加味し重厚な中に華美な絵画世界を樹立した” 画家で、“宋元画の本質に迫り蒼勁の中に生動感があり,高古の中に瀟々とした味わいのある山水画を得意” としていたということです。(出典:株式会社平凡社『世界大百科事典 第2版』)
この八咏老街は観光客が少ないこともあって、いわゆる「ザ・土産屋」がほとんどなく、全体的に非常に落ち着いた雰囲気のストリートです。通りの真ん中付近にはオシャレなカフェ/バーもあり、近くに宿がある人は食後にお酒やお茶をするためにユックリするにはうってつけの場所でしょう。
まとめ
近くの諸葛八卦村 (別記事でご紹介) へ行くついでに立ち寄った「金華」ですが、誰もが知る「金華ハム」のブランド力の割には、それを楽しむための専門店 (特にレストラン) が不足しており、金華市自体が観光にはまだまだ力を入れていない様子でした。
ただし、2021年の開通を目指して地下鉄が建設されていますし、金华站の駅前はキレイな建物ばかりなので、今後に大きな期待が持てるのではないかな?と思った次第。
特に、世界三大ハムの名に恥じない、特別な「ハムの街」として観光客にも幅広くアピールできるような、今後の発展を願うばかりです。
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今東京にいる金華人留学生です。Thank you for visiting my hometown! 私の家は迪尔路からとても近いです。
返信が遅れに遅れてすみません。。金華ハム、昨日も家で料理して食べました! とても美味しいですね 🙂