世界が認めた中国産ワインを堪能する #3『迦南美地 雷司令 Kanaan Riesling』

北京商报 (北京商報) の10月13日の記事の中で、中国ワインの一大生産地として有名な宁夏 (寧夏) は「宁夏葡萄酒产业2025年预计综合产值达千亿」、つまり、同地区内のワイン生産額が2025年には1000億元 (約1兆5700億円) にも達すると報じられました。

宁夏地域にあるワイナリーは現時点ですでに92カ所。それに加えて119カ所 (!) を建設中ということで、宁夏ワイン熱は高まるばかり。今回はそんな宁夏、贺兰山 (賀蘭山) 産の美味しくてボク好みのリースリング、 『迦南美地 雷司令 Kanaan Riesling』をご紹介いたします。

Gilbert Gaillard”で95点を獲得した『迦南美地雷司令 Kanaan Riesling

今回、いつもと同様に淘宝 (タオバオ) で購入したのは、宁夏 (寧夏) の贺兰山にあるワイナリー、迦南美地 (Kanaan WInery) が生産しているリースリング (中国語で “雷司令”)、その名も『迦南美地 雷司令 Kanaan Riesling』。

フランスの著名なワインガイド「Gilbert Gaillard」で95点を獲得したワインで、公式サイトのページ上では “フレッシュな林檎とシトラスのエレガントなフレーバーと、大地とアーモンドのほのかな香りが感じられ、かすかな苦みが際立たせる非常にフレッシュで瑞々しい味わいで、輪郭のある力強さが素晴らしい” と紹介されています。

Tmall天猫 迦南美地旗艦店雷司令商品ページを見ると「布鲁塞尔 国际葡萄酒大赛 金奖」と書かれており、これはつまり、通称CMB (Concours Mondial de Bruxelles) で知られるブリュッセル国際ワインコンクールで金賞を受賞したことを意味しています。

出典:TMALL天猫 迦南美地旗舰店

実際にこの『迦南美地 雷司令 Kanaan Riesling』を飲んでみると、最初の口当たりは僅かな発泡感が心地良く、ほんのり甘いテイスト。その後に来るのはアルザスのリースリングのようなスッキリとした清涼感を感じさせつつも、それよりもややドッシリ来る感じ。それでも、それが変に長続きせず、最後は最初に感じた甘みさえも消し去る輪郭あるミネラル感が口に残り、とてもスッキリ。そんな印象を受けました。

ボクが大好きなアルザスのリースリングほどのシトラスな清涼感や、持続するほんのりとした甘みはないのですが、飲み終わった後のしつこさが全くなく、とても飲みやすいです。アルザスのリースリングとは違う良さのあるリースリングで、このワイン、かなり好きです♥

Crazy Fangが実現、Mission Impossibleな宁夏リースリング

冬は-20度まで気温が下がり、非常に過酷な天候で知られる宁夏。そんな宁夏でリースリングを育てるのは「不可能」と言われていましたが、贺兰山の土壌のポテンシャルに大きな可能性を感じていた王方 (Wang Fang) は移住先のドイツからワイン醸造家を中国に招き入れ、2011年にワイナリー迦南美地 (Kanaan Winery) を設立。

出典:迦南美地

2017年にはフランスワイン評論の最高権威とも言われている「bettane + dessearve (ベタンヌ+ドゥソーヴ)」に『中国10大ワイナリー』の1つに数えられる地位にまで上り詰めました。冒険心に満ちあふれ、個性的な性格の持ち主である王方は「Mission Impossible」を自ら実現し、“Crazy Fang” と呼ばれているんだとか。。(!)

まとめ

今回の『迦南美地 雷司令 Kanaan Riesling』はボクの大好きなアルザスのリースリングとは少しキャラクターが違うテイストのリースリングですが、何杯でも飲めてしまう清涼感と輪郭がぼやけない個性がキラリと光る味わいの、絶妙のバランスの白ワインでした。ボクの定番ワインの1本に加えても良いと思えるレベルです 🙂

出典:迦南美地

ちなみに、迦南美地ワイナリー内の葡萄畑の敷地面積は16.8ヘクタールで、そのうちの1.3ヘクタールがリースリング用。つまりそれは、リースリング以外の葡萄もたくさん育てられているということ。

というわけで、次回は迦南美地の違う種類のワインを試してみたいと思います!

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