諸葛亮孔明が隠遁生活を送っていた“臥龍崗”に位置する『南陽武侯祠』

南陽

三国時代の天才軍師である諸葛亮孔明が、劉備に仕官する前に隠遁生活を送っていたとされる場所は「河南省南陽」と「湖北省襄陽」の二つの節があると言われています。

この度はそのうちの一つ、河南省南陽市臥龍区 (臥龍崗) に位置し、諸葛亮が祀られている『南陽武侯祠』を訪問してきたので、その詳細をこちらでご紹介します。

諸葛亮孔明を祀る「南陽武侯祠(南阳臥龙岗武侯祠)」とは?

河南省の南部、湖北省との境へも近い場所に位置する南陽市 (南阳市)。市内の臥龍区 (臥龍崗) にある祠堂群が「南陽武侯祠」。「武侯祠」という名前は、諸葛亮の諡 (おくりな) である「忠武侯」に由来しています。

南陽武侯祠

諸葛亮が廬を結んで住み、自ら田畑を耕して暮らしていたとされる場所につくられ、ボクが以前に訪問した「諸葛八卦村」と同等の、国家4A级旅游景区 (国家AAAA級旅遊景区) 及び全国重点文物保护单位 (全国重点文物保護単位) に指定されているスポットです。

南陽武侯祠

諸葛亮を祀った「武侯祠」は中国各地に見られますが、この南陽武侯祠は、四川省の成都武侯祠に次いで二番目の規模の大きさだということです。

実際に「臥龍崗」の中に入り、「南陽武侯祠」へ

どうやらここ一帯は臥龙岗 (臥龍崗) と呼ばれ、その中に「武侯祠」がある、ということみたいですね。入場に際してはチケット (大人50元) が必須で、APP上で購入が可能。ところが、外国人はAPP上でパスポート番号を入力できないので (2020年10月時点)、入口手前にあるチケットセンター内の券売機での購入となります。

南陽武侯祠

チケット購入時に顔写真を撮影し、そのデータはそのまま入場時に (顔認識カメラを通して) “顔パス”として使用されます。最近のこういった最新テクノロジーを駆使した「合理化」はまさに中国のお家芸ですね。

南陽武侯祠

入口からしばらく行って階段を上がるとそこにあるのが「武侯祠」。外では線香を焚いて祈りを捧げる人たちで溢れかえっており、傍観者に過ぎないこちらも、なんだかだんだん気分が盛り上がってきます。

南陽武侯祠

中では諸葛孔明像とともに、息子の諸葛瞻、孫の諸葛尚などが待ち受けています。しかし、、この前訪れた諸葛八卦村での印象が強烈なためか、像のつくりが甘いためなのか、はたまた三国志に特に興味もないような観光客が多すぎるためなのか、今回、この場で孔明像を目にしてもあまり感動を覚えませんでした。。

南陽武侯祠

武侯祠の奥には、三顧の礼などの故事を再現した展示室があったり、さらに右奥の方へいくと「諸葛八卦陣」を模した迷路の庭園や、諸葛亮の発明した「連弩」を体験できるエリアなどもあります。

南陽武侯祠
諸葛八卦陣 南陽武侯祠
諸葛八卦陣

ま、この諸葛八卦陣も連弩も「子供だまし」感が拭えませんし、敷地内はどこも重みに欠けるというか、真実味が薄いというか、、どこか残念な気持ちになってしまいます。はっきり言って、ここは「歴史探訪」のためではなく、「テーマパーク」を楽しむための場所みたいですね (涙)

諸葛亮孔明がいたとされる「本当の隠居地」はどこ!?

諸葛亮孔明が隠居生活を送っていたとされる場所については、「河南省南陽の臥龍崗」の節と「湖北省襄陽の隆中」の節とで、現在も論争が続けられています。

南陽武侯祠

南陽派は、諸葛亮が奉った『出師の表』の中に「南陽に耕す」という表現が記述されているため、「河南省南陽の臥龍崗」の節を主張。対する襄陽派は東晋の時代に編纂された歴史書『漢晋春秋』の中で「襄陽城の西方二十里、隆中」に住んでいたと書かれているため、「湖北省襄陽の隆中」を主張しています。

南陽武侯祠

邪馬台国論争のように、今となっても隠居地の本家がどちらかはハッキリとされておらず、両者ともに譲らない状況が続いています。しかし、互いの場所が距離にしてわずか140km (車で約2時間) の近さに位置しているので、どこかこの辺りにあったんでしょうね (!!) とミステリアスさをどこかに残しておくことで宜しいかと。

まとめ

国家AAAA級旅遊景区の指定を受けている観光地ということで、今回も大きな期待を胸に訪れた「南陽武侯祠」ですが、期待外れ感は否めず、結構な肩すかしをくらった形です。

南阳臥龙岗武侯祠

とはいえ、実際に自分の足を使って行ってみないとわからないことですし、次回はライバルの「湖北省襄陽の隆中」、ならびに最大規模の武侯祠である「成都武侯祠」にも行ってみたいと思うようになったので、そういう意味では今回も意義ある訪問となりました。

さて、次はどの三国志関連の場所に行くとしましょうかね?

XXX

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