発祥の地 古猗园餐厅で南翔小籠包、上海最古の庭園 古猗园、南翔老街を満喫!

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上海五大庭園のひとつで、明の時代に造られた上海最古の庭園「古猗园」が小籠包で有名な南翔にあると知り、「花も団子も!」の勢いで、上海から日帰りで南翔に行ってきました。

庭園と小籠包以外にも、こじんまりとした老街 (歴史ある古い街並み) を楽しむこともでき、とっても有意義な一日に。そんな、上海市内中心部からも近くて便利な、南翔の魅力を今回お伝えします。

上海古猗:これが元祖!! 発祥の店で南翔小籠包を食らう

南翔は上海の市内中心地から地下鉄で30~40分の距離にあり、地下鉄11号線の南翔駅で降りて20分ほど歩くと、古猗园の入口に到着します。そのすぐ横にあるレストランが「上海古猗园餐厅 (上海古猗園餐廰)」。ここは小籠包が生まれた場所として超有名なんです。【住所:上海市嘉定区沪宜公路218号】

100年以上の歴史を誇る、オリジナルの小籠包は「古猗園南翔小籠」

小籠包 (小笼包) はここの店主である黄明賢氏が1871年に売り出した肉まん「南翔大肉饅頭」が起源と言われています。しかしこの南翔大肉饅頭、あまりの人気ぶりに同業者による類似品がたくさん出回ってしまい、そこでコピーに対策するべく、具を大きくし皮を薄くするなどして改良を加えて作られたのが「古猗園南翔小籠」。

オリジナルの古猗園南翔小籠と、古猗园内の黄明賢氏の銅像

これが今日の「小籠包」という名称になったということです。(ただし、これは店側の言い分であって、一説によると北宋の時代から中国の南部地域で広く愛されていたとか。真実は歴史の闇の中・・・)

ちなみに豫園 (豫园) にある超人気店「南翔饅頭店 (南翔馒头店)」は黄明賢の弟子である呉翔升が1900年に開店したお店で、六本木にもその支店があることで有名です。

ランチ時間は混雑必至!! 昼時を避けるのがベター

さて、週末は超混雑する店だと聞いていたので、ボクは土曜日の10時過ぎに入店。席はまだ1~2割ほどしか埋まっていない状態で、ちょうど従業員が食事をしているタイミングでした。

入口を入ってすぐ右側にレジがあり、そこで料理の注文をします。注文した品数の分だけレシートをもらえるので、その紙を持って入口正面にある「取小龙处」へ行くと、注文した料理をその場で受け取ることができます。トレーに載った料理を自分で運び、好きなテーブルに座って食べるという、「お片付け以外は全てセルフサービス」というシステム。箸や小皿は取小龙处のすぐ横にあり、小籠包に付ける「酢」はテーブルに置かれた大きな急須内に入っています。

ボクは元祖の「原味鲜肉小笼」(15個、30元) と、カニ味の「蟹粉鲜肉小笼」(10個、30元) を注文。カニ味の方が値段に応じて (?)、サイズは通常の小籠包の1.2倍ほどの大きさです。お味の方は、超アツアツでジューシーな肉汁がたまらなく、何個でも食べられる超絶なうまさ・・・!!! とはならず、、、それ相応に美味しい、というレベル (泣)。

原味鲜肉小笼 (左) と蟹粉鲜肉小笼 (右)

ぶっちゃけ、上海市内にいくつか店舗がある南翔饅頭店の味とほぼ変わりがなく、ボクはすでに普段から食べ慣れている味ということもあって、美味しいは美味しいですけど、特に感動するほどのものではない、というのが正直な感想。元祖の味を、発祥の地で食べるという体験、その事実が重要なので、お味は二の次で構いません! 本当にそう思いました。 ま、普通の日本人には、鼎泰丰 (ディンタイフォン) の方が上品で、お口に合うでしょうね。

古くて風情ある建物、中庭、土産も堪能できるんです

小籠包自体は特筆すべきほど「良い味」というわけではありませんが、古くて風情ある建物は非常に良い味を出しています。中庭席もあるので、暖かい時は外で食べるととっっても気持ちよさそう。奥の別館に行けば個室があり、そこで小籠包以外のきちんとした食事も楽しめるということです。

店内には小籠包のお土産も売られているので、旅の思い出に購入して持ち帰ることも可。食事を終えて店を出る11時前後になると、席はもう7~8割埋まってました。大型バスもやってきますし、早め早めの行動が吉。人が多すぎて中に入れない場合は、周りにこの店の人気に便乗した小籠包屋が無数にあるので、そちらで食することも可能です。しかしながら、やはり独特の雰囲気を持つ上海古猗园餐厅で食するのを強くオススメします。

上海最古の庭園「古猗」は、南翔小籠包の名店のすぐ隣!

小籠包だけをたらふく食べた早めのランチを終え、続いて向かうは「古猗园 (古猗園)」。ここは明の時代に造られたという、上海最古の庭園です。紀元前9~7世紀 (!) の詩が収められた中国最古の詩篇「詩経」の中に「绿竹猗猗 (緑竹猗猗)」という一句があり、そこから「猗园」と名付けられ、1746年に「古猗园」と改名されたとさ。

古猗园は明時代の竹細工の名工、朱三松によって設計された名園で「国家AAAA级旅游景区 (国家4A級旅遊景区)」にランク付けされており、これはなんと豫園と同等ランク。また、上海五大庭園 (上海五大古典園林) のひとつに数えられ、古猗园以外の庭園は豫園、酔白池 (松江区)、秋霞圃 (嘉定区)、曲水園 (青浦区) がありますが、豫園以外は名前も聞いたことないところばかり。。。もっと勉強します!

2020年4月現在、入場時には随身吗の提示と検温が必須。それが終わったら入場ゲートのすぐ横で入場料12元を支払い、中に入ることができます。一部の美術館や観光地で行われている「オンライン事前登録」は特に必要ないので (一部美術館や観光地等では、中国人ID保持者しかオンライン事前登録を受け付けないことが多々あり)、外国人でも問題なく入場可。

園内の一番の見所は、明時代の建築です。瓦屋根の軒先が空に向かって反っている様が非常にユニークで、扉と窓のデザインが非常に多様性に溢れているのが特徴。また、竹細工師が造園したということもあって、園内の「緑竹猗猗」な様 (緑の竹が非常に美しく茂っている様子) は心が洗われ、どこか清涼な癒やしを提供してくれます。また、様々なデザインパターンが施された石畳の道も芸術的で、思わず見とれてしまうほど (ですが、写真撮るのを忘れました・・・) 。

園内の面積は約9万7千㎡で、新宿御苑の1/5程度の広さ。各種建造物が園内にほどよくちりばめられており、また、途中に池や川、回廊や休憩所などが随所にあって、長時間歩き回っていても飽きることもありません。ゆっくり見て回ると2~3時間ぐらいはすぐに経過するでしょう。飽きっぽいボクにとっては、丁度良いサイズの庭園でした。

中国国内のどこにでもある公園と同じように、大音量の音楽をかけて踊っているおばちゃんもいれば、各々が持参した水筒を並べて井戸端会議をしてるおっさんもいるし、明代(?)の衣装を着てコスプレ撮影を楽しむ若者もいたり、国家4A級ランクとは思えない「庶民的な親しみやすさ」「間口の広さ」もこの庭園の魅力のなんでしょう。

ただ、蘇州にあるような「ザ・中国庭園」を求める人には期待外れに終わってしまうと思いますが、建物も池も川も花も草木も、なにもかもが「ほどほど」の良い塩梅で配されていて、観光地然とした「くどさ」のようなものもなく、非常に心地よい庭園であることは確かです。

春・秋の気候が穏やかな時期がオススメの季節なのはもちろんのこと、6月末~8月には美しい蓮が咲き乱れる「ハスの花祭り」があり、春節時にはイベントが目白押しのようですので、タイミングをうまく見計らって行ってみてください。でも、もし、今すぐにでも古猗园を堪能したい!という人は、VRで古猗园園内を疑似体験できるサイト があるので、是非ともトライしてみてください。

南翔に来たら、是非とも訪れておきたい「南翔老街」

小籠包を食べ、古猗园を満喫したからといって、すぐに市内中心へ戻らないようにしてください! 庭園から徒歩15分ほどの距離の場所に南翔老街 (古い街並み) があって、(見所満載というわけではないんですけども) 時間がある人は一見の価値あり。

南翔老街は小さい川に囲まれた500m四方ぐらいのエリアで、2020年4月の時点では老街への入口は2箇所のみに制限されており、随身吗の掲示が必要です。

いわゆる「古い街並み」は、合計500mほどのストリート沿いにしかありませんが、レストランや土産物屋など、多数のお店が軒を連ねています。特に小籠包の店と、コスプレ衣装で撮影が愉しめる店が目立ちます。そういった撮影が好きな人はこの老街内で衣装を借り、古猗园で撮影するとダブルで楽しめるでしょう。

老街内の一番の見所として、建て直された双塔がありますが、微妙なサイズのミニチュア版なので実際に目にすると拍子抜けすること請け合い、、、なので、わざわざ写真に収めるのもためらわれるほど。街の奥には雲翔寺 (云翔寺) がありますが、今回はコロナウイルスの影響でまだ閉められていました。

その他には「檀园」というプライベート庭園があり、いくつか旅行レビュー を見る限りではとてもきちんと手入れがされていて評判が良いようですが、もうここに来るまで庭関係はお腹いっぱいだったので、中には入りませんでした。有料であることと、入口がひっそりとしていることもあって、入場する人はあからさまに少なそうですが、ある種テーマパーク的なキレイさ&非現実感を求める人にはオススメかと思います。

とまぁ、この南翔老街が旅のメインの場所であれば消化不良感がハンパないと思いますが、小籠包と古猗园を楽しんだあとの「おまけ」としては十分すぎるほど。そういう前提の気分で是非とも訪れてみてください。

まとめ

南翔は上海市内からのアクセスが非常に良好で、ここがまだ上海市内であることを忘れさせてくれる、「非日常感」が味わえるオススメの日帰り旅行先です。

真夏だと駅からの移動も含め、結構タフと思いますが、季節が良いときに一度訪れてみてください。昼時を避けて上海古猗园餐厅で小籠包を食らい、古猗园で明代の庭園を満喫し、最後に南翔老街を訪れて古い街並みを楽しむ。これで心もお腹も満腹となること間違いありません。

ただ、小籠包が好きじゃない人は上海古猗园餐厅ではなく、老街内にあるレストランで好きな料理を食べた方が良いかも。老街内なら、小籠包を食べなくとも旅行気分が十分に味わえます。

ボクは小籠包が割と好きな方ですが、今回けっこう食べ過ぎたので、もうしばらく食べたくはないですね(汗)

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