新型コロナウイルス騒動から1か月、落ち着き始め「今」の中国の状況

ここ数日で日本や韓国でも急激に増加し続けている新型コロナウイルス患者。世界的に株式市場も大荒れで、健康も懐具合も心配になっている方が多いかと思いますが、「先人から学べ」じゃないですけども、「厳戒態勢に突入してから1か月が経過した中国」から学べることが多々あるのではないかと思い、今の中国の状況をここでいくつかご紹介いたします。

ここまで中国政府は対策として、「人を動かせない」「人を集まらせない」ことによって感染を未然に防ぎ、政府の強い主導のもと「徹底的な管理」が行われていますが、それぞれについて以下で順に見ていきましょう。(※武漢の状況は余りにも特殊なので、ここでお伝えするのは北京や上海などの一般的な大都市でのお話がメインです)

人を動かせない

新型コロナウイルスの脅威が中国全土で公然と認識されはじめたのは、ちょうど春節前後 (今年の春節は1月25日) のタイミング。それまでは「武漢大変だねぇ」ぐらいの状況だったのが、一気に自分の身に迫る危機として認識されはじめたのです。

春節前後は民族大移動が起こるのが通例で、のべ30億人(!)が移動すると言われています。そこで政府は不用意に「人を動かせない」政策に出ました。そのために、各地で春節の休暇期間を延長することを発表。上海では政府が2月10日まで市内のすべての企業 (インフラ、医療、スーパーを除く) に対して休業を命じました。

しかし、感染はその後も瞬く間に拡がりを見せたため、武漢は封鎖、主要各市では長距離バスの運行が禁止に。長距離電車や飛行機も同様。湖北省にほど近い河南省南部出身の友人は、1月末の上海行きのフライトチケットが強制的にキャンセルされ、特に省をまたぐ際、物理的に「人を動かせない」施策は徹底されていきます。

人を集まらせない

春節後に予定されていた大きなイベントや行事は全てキャンセルか延期に。学校も全て閉鎖され、現時点でもまだ実際に登校できる日は決まっていないところが大半です。上海では救急以外の歯科、耳鼻科、眼科、クリニック等の病院をはじめ、博物館、美術館、図書館等の公共施設、ディズニーランドや豫園などの観光施設、託児所や塾、ジムなども全て閉鎖されました。

レストランも多くが営業をストップし、北京では大きなグループでの食事会を禁止する「会食禁止令」が発令されました。また、感染がひどい温州では、市民の外出を最小限にとどめるべく、1世帯から1人、2日に1回しか外出できない「外出禁止令」も。とにかく、「人を集まらせない」ために何でもなりふり構わない対策が行われたのです。

徹底的な管理

感染を未然に防ぐため、発熱がないか、直近に湖北省への滞在歴がないか、の管理が徹底されています。大都市の大型スーパーや地下鉄の駅、各マンションやビルに入る際には必ず検温が行われており、もし高熱があればすぐに検査を受ける体制が整えられています。

どのマンションも外から入場できるゲートを1つに制限しており、場所によっては許可証がないと出入りができません。夜の門限の時間が設定されているところも。また、マンション内へ部外者の侵入は認められていないところが大半なので、宅配されてきた荷物は全てゲート前に集約され、そこに各個人が受け取りに行く、という方法がとられています。そして、市外から来た人間 (主に帰省先から戻った人たち) は、マンション側にそのことを通知する義務があって、北京等では14日間外出禁止の措置がとられています。この時期、不用意に遠出できない体制が構築されているのです。

マンションのゲート外に集約された、配達荷物の数々

オフィスビルへの入場も2月26日現在、まだ厳しく管理されており、入場時に検温+名前+電話番号+ID番号の登録が必須です。そして、エアロゾル感染の可能性が言われているため、中央空調システムが稼働しておらず、エアコンが使用できない場所が大半のようです。

感染リスクが高い場所、地下鉄やバスの社内、エレベーター内などは定期的に消毒が行われ、エレベーター内のボタンなどの「人の手が触れる場所」にはフィルムが貼られていたり、ティッシュが置かれていたりします。

日本ではマスクが購入できず、ネット上で法外に高額で販売されている状況が続いていますが、中国では政府が管理をしています。例えば上海では、上海市がマスクを提供。スマホ上で予約を行い、通知が来たら指定の薬局で購入する、というシステムが整えられています (※1~2週間に一度、1世帯5枚まで、等の制限あり)。

2/26時点、最新の状況

2月26日現在、北京では21日の北京市政府発表を受け、「14日間外出禁止ルール」が変更となりました。もともと、帰省先などから北京にやってくる全ての人に対して、14日間自宅等での隔離措置を義務づけていましたが、以下に該当する人は適用除外となっています:

 <14日間外出禁止ルール 適用除外者>
 1) 過去14日間、中国国内におらず、北京の国際空港から入境した者
 2) 中国の湖北省以外から旅行/訪問/ビジネス/視察等で北京に来た短期滞在者
 3) 北京周辺地域 (河北省廊坊市北三県など) に居住し、北京で仕事を行う者
 その他詳細については、北京市政府のウェブサイトで閲覧が可能

上海においては、公共施設、観光施設、学校関連施設、ジム等は閉鎖されたままですが、登校が引き続き禁止する方針が決められている市内の学校について、3月2日からオンラインでの授業が開始することが発表されています。ただし、上海日本人学校に関しては、3月いっぱい、授業が再開することはないとのこと。

そして、閉鎖されていた一部の歯科、耳鼻科、眼科、クリニックについては、2月22日から再開しています。商業関連は、2月19日の時点で37.2%が営業を再開しており、日常が戻りつつありますが、在宅勤務 (テレワーク) を行っている企業が大半で、状況が改善すれば3月に入ってから徐々に変わっていくのではないでしょうか。

ちなみに、新型コロナウイルス感染者が街のどこで発見されたのかを知るためには、アリババ傘下のアプリ、高徳地图 (高徳地図 Autonavi) を使えば一目瞭然です。アプリを立ち上げ、画面下部にある「附近」をタップ、その後に「疫情场所」を選べば、どのビル/マンションで感染があったのかが簡単にわかるようになっています。

新型コロナウイルス超対策! 独自進化したニンジャパーカ!?

中国では今、飛沫感染をほぼ完全に防ぐことができるという、ニンジャパーカのような、こんな独自に進化した衣装が大流行しているとか、いないとか・・・!?


以上、2月26日時点での、中国における新型コロナウイルスの状況をご紹介しました。日本は今後1〜2週間が正念場のようですし、皆さんも十分に気をつけてください!!

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