敢えて中心部を離れ、西湖以外の“プチ観光”を楽しめる「杭州」小旅行ガイド
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かつてマルコポーロが“世界で最も華やかな街”と形容した「杭州」。世界遺産の「西湖」を筆頭に、数々の古い寺院や庭園で有名ですが、休日やホリデーの時期は大量の人で溢れているので風情もへったくれもないですよね。。
今回は観光客だらけの、いわゆる「ザ・観光地」を避け、こじんまりとしたスポットをいくつか巡ってきましたが、期待していなかった分、結果的にとても見どころ満載で大満足でした。そんな杭州の隠れ家的な観光スポットをここにご紹介します。
京杭大運河と拱宸橋、老街が楽しめる「桥西历史街区 (橋西歴史街区)」
数々の小説やドラマ、映画でも登場する「京杭大運河」。その運河の最南端にあるランドマークが「拱宸橋」で、その橋のたもとは現在、桥西历史街区 (橋西歴史街区) としてキレイに整備され、魅力的な観光スポットとなっています。
杭州と北京を結ぶ水運の大動脈「京杭大運河」
随の文帝と煬帝が整備し610年に完成した、黄河と長江を横断して杭州から北京までを結び、総長2500kmに及ぶ世界一巨大な運河。米を主に、茶、陶器、絹織物などが、経済の中心地である江南から北京、長安、洛陽等へ運ばれました。
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この京杭大運河は万里の長城と並ぶ「中国の二大土木事業」と言われていて、2014年に世界遺産に登録されているんですよね (ボクは知りませんでしたけどね・・・)。
京杭大運河の南の起点「拱宸橋」
運河の最南端のランドマークとしての役割を担っているのが、この「拱宸橋」。橋は総長92m、中央部の高さは16mという、巨大な橋です。明代の1631年に最初に建設され、1885年に大規模な修理が施されました。
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名前の「拱」は“歓迎”を意味する漢字で、「宸」は“帝王が住む宮殿”という意味があり、運河の起点として位置づけられているので、ここを通過する船の「城門」的な役割を担っていたようです。
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ちなみに、この橋の東側には日本租界があったということです。日清戦争後の1895年、下関条約でこの租界が開設されることが決められましたが、日中戦争を経て1943年に返還されました。
歴史的な街並みが復元された「桥西历史街区 (橋西歴史街区)」
京杭大運河の西側、拱宸橋の南側にあるエリアに、古い街並みが復元された老街があります。レトロな雰囲気に統一されたストリートにはレストランや茶館、博物館や古い薬局などが軒を連ねており、杭州の土産物なども見つけられます。
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いまのところ、ここら一体は観光客が溢れかえるような感じはまだなく、地元民が多く集う「憩いの場」的な場所なので、ほほえましい雰囲気の、オススメの観光スポットです。
小さな運河沿いに、明~清の時代の古い建物が集まる「小河直街姚家」
桥西历史街区を一通り満喫した後、まだ少し時間があったので、そこから自転車で10分ほどの距離にある「小河直街姚家」へと向かいました。
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巨大運河沿いに広がる「桥西历史街区」とは違い、ここ「小河直街姚家」は非常に小さな運河沿いにあり、また、古い建物をリノベートしたこじんまりとした店が連なっているため、とても風情溢れる、落ち着いたストリートになっています。
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外地から来た観光客で溢れかえることもなく、非常にゆったりとした時を過ごせるので、川沿いのテラス席でゆっくりを食事をしたり、コーヒーを飲みながら一息つくには正にうってつけ!
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運河の両岸には杭州の特産である緑茶を売る店、老舗の醤油屋、今やどこの観光地でも目にするコスプレ写真館などもあって、特に目的はなくともブラブラするにはちょうど良い場所です。
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ボク河の目の前のテラス席がある雲南料理屋で昼食をした後、団体さんお断りの静かな (&とっても美味しい) カフェでコーヒーを堪能し、一通り散歩をしてから帰路につきましたが、とにかく心地よいストリートなので今度は夕食時にここに是非とも訪れたいと思いました。川沿いで風を感じながらゆっくりお酒を飲めると、すんごく心地よさそうです!
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まとめ
今回、杭州には一泊しかしなかったので、特に観光するつもりはなかったのですが、宿の周辺地図だけを頼りに行ってみたスポットx2が大当たりで、非常に有意義な時間を過ごすことができました。特に「小河直街姚家」は、京杭大運河+拱宸橋を目当てに訪れる人には要チェックのスポットです。
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13世紀末には人口90万を抱える世界有数の都市だったという杭州。さすが、マルコポーロが称えた街ということもあって、まだまだ奥深い魅力があるのは間違いないでしょうし、また近いうちに再訪したいと思います。
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