新型コロナウイルス騒動後、日常化が加速する中国の様子

ここ数日でアメリカやヨーロッパにおいて急激な広がりをみせる新型コロナウイルス。それとは対照的に、中国では「超厳格なウイルス対策」が功を奏して、非現実的だった生活が元に戻る「日常化」が加速しています。今回の記事ではそんな中国のここ一週間の状況をご紹介いたします。

中国での新型コロナウイルス最新感染状況 3/15時点

状況は先週に比べてさらに改善されてきていて、多くのニュースで既報のとおり、中国全土での新規患者増加数が一桁になりました。新規で増えているのも湖北省内のみで、中国全体ではウイルスの征圧はほぼ終わったと言える段階でしょう。

上海を例に見ると、ここ一週間、海外から中国へ移動してきた感染者を除くと、新規の新型コロナウイルスの症状確定者はゼロです。その「海外から中国へ移動してきた感染者」はイタリア、アメリカ、スペイン、フランスからの人たちで合計11人。1人のイタリア人を除くと、全て中国籍の方々です。

3月15日正午の時点では上海市内の累計患者総数は353人で、そのうち完治後退院したのが324人。これまでにウイルスが原因で死亡が確認されたのは3人となっています。【上海发布参照】

市内の状況がさらに改善し、公園や商業施設も通常営業へ

ここ数日の良好な天候に合わせるかのように、3月13日から各商業施設が本格的に再開しています。世界的な店舗閉鎖を決めたアップルですが、中国では再オープンを果たしています。これまで店内着席がNGだったスターバックスではそれがOKになり、図書館や美術館等の公的施設も徐々にオープン。人が集まるのを避けるために閉鎖されていた公園も開放され始めました。【新浪上海新闻参照】

部分的な制限ありでオープンしたジムでは営業時間を短縮して営業し、プールやシャワー、サウナが使えず、グループレッスンもNG。また、大手の「一兆韦德 TERA WELLNESS」では人を集めないようにするため、事前予約が必要で、90分ごとに100名までの入場しか認めていません。ただ、学校は本格復帰しておらず、引き続きオンラインで授業が行われています。

その他の生活面では「配送」に大きな変化がありました。つい最近まで配送員はマンション敷地内に入ることができず、外のメインゲートで止められていたのですが、そのルールが撤廃され、家の玄関先まで届けてくれるようになっているところが非常に増えています。

あと、マスクが淘宝 Taobaoで無理なくすぐに購入できるようになったり、消毒液が店頭に絶えず並んでいる光景を目にするなど、ウイルス対策用物資の供給が大幅に改善されてきています。

国内状況とは対照的に、悪化する国外を踏まえた「隔離」政策

日本や韓国からやってきた人に対する「14日間隔離を強制する感染対策措置」は、2月25日に蘇州で開始されたのを皮切りに、3月3日からは上海でも同様の隔離政策が始まりました。世界中でのウイルス被害拡散を受け、広東省では3月8日から25カ国をこの隔離対象国としています。

日本でも同様の隔離措置がとられていますが、日本のホテルで隔離される場合は費用が自己負担。上海では隔離の際にホテルに滞在しても費用の自己負担はありませんでしたが、3/17より一人当たり1日200元 か400元相当を負担することとなりました。でも、実際の隔離ってどうなの?と興味津々の方もおられると思うので、その実際を細かく見ていきましょう。

浦東空港における、実際の検疫の様子【上海虹口微博】

上海周辺における、隔離に関するルール

  • 日本などの指定地域から入国をした場合、14日間の自宅又は指定施設での隔離が必須
  • 上海に自宅がある人:住まいの場所が隔離の条件を満たしている場合に限るため、事前確認が必要 特にサービスアパート等のホテル型の施設ではNGとなる場合が多いので注意
    *浙江省においては自宅隔離はNGで、全て指定施設での隔離が必要
  • 出張者等の一時渡航旅客:上海市政府指定の施設で隔離 当初は滞在費用 (宿泊費/食費等) の自己負担は不要でしたが、3/17より一人当たり1日200元 か400元相当を負担することに決定

中国に到着後、どう隔離されるのか?

※下記情報は、3/15執筆時の情報です。3/22現在の情報は、こちらの記事を参照ください。

  1. 飛行機が着陸後1~2時間は機内にて待機し、その後に降機
  2. 検疫作業(検温、アプリ登録、用紙への記入、面談等)
  3. 入国審査、預け入れ荷物のピックアップ
  4. 目的地への移動(移動に公共交通機関の利用はできず、手配されたバスを利用して集団で移動)
  5. 隔離14日間(自宅でも毎日2~3回の検温&記録が求められ、部屋から外へは一切出られない ホテル滞在の人は食事も無償で提供される)
  6. 隔離が終了した際には隔離が解除された証明が発給される

【在上海日本国総領事館参照】



ツイッターやウェイボを見ていると、空港から車で移動をする際にはパトカーの先導があったり、やはりかなり厳格に取り締まっているようです。上記ツイートは、自宅マンションで隔離開始直前の様子です。完全にバイ菌扱いですね。。

下記ツイートは、上海虹口にあるサッカースタジアム。ここは隔離対象となった国からやってきた人たち用の隔離施設として活用されており、その様子を伝えています。




以上、3月15日時点での、中国コロナウイルス最新情報でした。一説によると、スペイン風邪のように騒動が長期化する可能性もあるようですが、各国の対応が違えど、早く落ち着きのある毎日がみなさんの元に戻ってくることを祈っています。

XXX

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメントする