実は外来語/和製英語だけど、実はそんな意味なの!? と驚く言葉たち
いつも会話の中で普通に使っている数々の「外来語」「和製英語」。ボクがいる広告業界なんかでは「コンセンサス」とか「フィックス」とか、意味不明な横文字 (っぽい言葉) が横行していてバカみたいですが、そんな横文字の外来語・和製英語の本来の意味や背景を調べると、知って驚く言葉がたくさんあるんですよね。
そんな言葉の中でも今回は「アカペラ」「カボチャ」「ヤンキー」の由来を、そして、意味の違いによる「勘違い」が起こりうる外来語・和製英語をご紹介いたします。また、最後に上海語の魔法の言葉「アツマワ アタシワ」のお話も。
慣れきってなんとなく使ってたけど、実はそんな意味なん!?篇
まず最初は、普通名詞として余りにも普段から一般的に使っている「アカペラ」と「カボチャ」について。それぞれ、「音の響き」からは英語でないであろうことは予想できますが、語源はどういうものだったのでしょう?
アカペラはイタリア語「a cappella」=「礼拝堂で」の意味
個人的なイメージで「アカペラ」と言えば、テノール歌手の秋川雅史氏が大聖堂で壮大に歌い上げるシーンを想像したりするのですが、アカペラの起源はイタリア語の「a cappella」で、英語に訳すと「in chapel」、つまり「礼拝堂で」「聖堂で」という意味。なので、ボクのイメージはあながち間違いではありませんでした。
15~16世紀のルネサンス期、音楽家は教会を舞台に「複雑で豪華な曲」を競い合うように作り、結果的に「歌詞が聞き取れない曲」がたくさん生まれました。バチカンはそれを問題視したため教会音楽の簡素化に取り組み、そこから生まれたのが「アカペラ様式」です。
この「簡素化された音楽様式」が、教会音楽に限らず幅広いジャンルの音楽で受け入れられ、一般的に声楽だけで合唱・重唱を行う「無伴奏合唱」のことを「アカペラ」と呼ぶようになりました。
ちなみに、アカペラ様式の特徴は、1) 簡素で歌詞の聴き取りが簡単、2) 曲全体/一部がポリフォニー (複数の独立した声部からなる、多声音楽)、3) 無伴奏 (or 極簡単な伴奏) で歌う、という点です。
アカペラと言えば、2015年から3年連続でグラミー賞を受賞した5人組アカペラグループ「Pentatonix」が超有名ですが、彼らがカバーしたOfficial髭男dism『Pretender』は日本語の発音もキレイだし、本当に美しく仕上がってますよね!
カボチャはポルトガル語で「カンボジア」を意味する「Camboja」
子供が大嫌いで、ボクも煮込んだ際のグニョっとした不快な食感が未だに苦手な「カボチャ」。ボクの中では勝手に「カボチャ=おばあちゃんの野菜」というイメージが出来上がってるのですが、そんなカボチャはメキシコ~グアテマラあたりの中南米原産の野菜で、16世紀に大分に漂着したポルトガル船によって日本にもたされました。
当時のポルトガル人はカボチャが「カンボジア産の野菜」であると認識しており、「Camboja (発音:カンボジャ) 産の野菜」という言葉がその後転じて「カボチャ」と呼ばれるようになったのだとか。
高齢者の方は、カボチャのことを「南京」と呼ぶ場合がありますが、これはカボチャが寄港地である「中国の南京」に由来しているからと言われています。ちなみにその中国ではカボチャは「南瓜 (発音:ナングア)」という言葉で、「南蛮渡来の瓜」という意味になります。
こうやって、カボチャのことを知れば知るほど、嫌いだったカボチャさえも、徐々に食べたく、は、ならないですね・・・
ヤンキーは英語「yankee」と関係ないが、微妙に「アメリカ」繋がりw
1970年頃まで「ツッパリ」という言葉で表されていた不良少年少女は、1980年代中頃から「ヤンキー」と呼ばれはじめます。英語の「yankee」から派生された言葉だと思われがちですが、英語のyankeeには「ヤンキー/不良」という意味合いは全くなく、一般的には「(北部) アメリカ国民」を示す言葉です。それではなぜ、不良をヤンキーと呼ぶことになったのでしょう?
一説によると、当時、大阪のアメリカ村界隈でたむろしていた不良たちが「~やんけ」という言葉を多用していたため、それが転じて「ヤンキー」となったということです。
これはただの偶然なんでしょうけど、「アメリカ人」を表す「yankee」という言葉が、日本の「アメリカ村」で生まれた「ヤンキー」という言葉と同じ「音」を持つことになるなんて、なんか面白いですYOネ。それを受けて、バリバリの大阪のヤンキーが、アメリカ村でアメリカ人に「I’m a yankee」と得意げに話しかけてくれたりなんかしたら、笑いで悶絶しそう。。w
実は和製英語で、翻訳するとエラい意味になってしまう外来語篇
普段、何気に使っている「アフターサービス」や「ソフトクリーム」などの言葉は和製英語で、それぞれを翻訳すると、アフターサービス=サービスを受けた後、ソフトクリーム=柔らかいクリーム、という意味になるように、英語のネイティブスピーカーには通じません。
このような例は無数にあるのですが、そんな「変な和製英語」を使い続けているとどんな勘違いが起こりうるかを、会話形式でボクが空想して実際に考えてみました。
一人は日本人で、和製英語だと知らずに使い続ける、痛い女。
もう一人はイギリス人で、全てを真に受けてしまう、不器用な男。
そんな二人のちぐはぐな会話です。
変な和製英語のおかげで、絶対わかり合えない男女の会話
Wow! Viking lunch!! So excited!やった~! ランチはバイキングね、嬉しい!
Lunch for… Scandinavian pirates!?!北欧の海賊の昼メシって!?!
Look look! Hot cakes!!見て見て、美味しそうなホットケーキ!
Heated cakes?? “Hot” means, spicy or sexy!?え、熱いケーキ!? 辛いの!? セクシー???
American dogs also look so yummy.アメリカンドッグも美味しそう!
You eat “dogs”?? OMG…犬も食べるの!? 信じられない…
But I can’t eat much because,,, doctor stop!でも、過食は禁物。ドクターストップかかってるから
OK, I’ll shut my mouth… (What a scary woman!!)(言い過ぎたから) しゃべるの止めるよ。それにしても恐ろしい女だ・・・
英会話の中でそのまま使ってはいけない和製英語
上記の会話で、何が問題で、どうして勘違いが起こったのでしょうか? 男女間に生じる問題以上に、根本的に言語の問題があるので、それを順番に見ていきましょう。
- Viking:日本ではビュッフェ式の食事を「バイキング」とも言いますが、英語でバイキングと言えば「海賊」の意味。なので、男はバイキングランチ=北欧の海賊が食べるランチ!?と誤解をしてしまったのです。
- Hot cake:ホットケーキは英語で「pancake」です。「Hot」は「温かい」以外にも「辛い」「セクシー」の意味を持つので、男性は「hot cake」とは何を示すのかわからなかったんですね。
- American dog:ボクも昔は大好きだったアメリカンドッグ。でも英語に直訳すると「アメリカの犬」なので、そんなものが美味しそうだと言われると、引いてしまいますよね。英語でアメリカンドッグは「corn dog」です。
- Doctor stop:日本では普通に「ドクターストップがかかってるから」と言いますが、単語を並べただけではその意図が通じません。英語では「doctor’s order (not to eat~)」というように、(~を食べてはいけないと) 医者から指示されている、と伝える必要があります。
上記会話は極端な例ですが、英語だと思いこんで和製英語を使ったがゆえにトラブルになることは十分に考えられます。ま、これは英語だけに限らず、様々な言語で起こりうるので、よい子は外国語をきっちり勉強しましょう!
日本語の発音に似た、スゴイ!?上海語「アツマワ アタシワ」
日本からは立地的に近い上海ですが、日本語と上海語との間には「言葉を発音するときにハッキリと音を出す」という共通点があります。ゆえに、ぼけ~っとした状態で何気に上海語を聞いていると、それが日本語のように聞こえてくることが多々あるのです。そんな、「上海語がなんとなく日本語みたいに聞こえる!」例文として、よく上海人に教えてもらえるのが以下の言葉。
「アツマワ アタシワ」
日本語のようにハッキリと音を出して発音すると、100%通じます。中国語の文字にして起こすと「鞋子没坏 鞋带先坏」となり、その意味合いは「靴はまだ壊れてないけど、靴紐が先に壊れた」です — はい。日常生活では実用性ありません!!(涙)
しかしながら、上海人にこれを言うと「おぉ、よく知ってるねぇ!」となって距離を縮められるので、コミュニケーションの一手段としては実用度が大。上海美女と一緒にいる際に靴ヒモが壊れたら、是非ともこの伝家の宝刀を抜いてください。きっとその実用性に驚くことでしょう・・・!?!
このグローバル化された現代において、世界の言葉はどんどんブレンドされていくと思いますが、和製英語や外来語については十分に気をつけながら、国際的にコミュニケーションを深めていきましょう。今回例に出したような話を知っていたら、外国人との会話もさらに弾むこと間違いなし!
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